「自尊心」というのは、自分の心と体を大切にすること、そして今の「ありのまま」の自分を認めてあげることです。私たちはときとして、もっと偉い人になりたい、もっと凄い人になりたいと、自分をよりよく見せようとすることがあります。そして傲慢になつたり、逆に卑下してしまったりして、自分を取り巻く環境を悪い状態にしてしまうことがあります。けれど、自分はこの世で一人だけ。
唯一無二のかけがえのない存在であって、未来には無限の可能性が広がっていると信じることができると、自分をありのまま以上に大きく見せようとすることも、何か自分には欠けているのではないかと疑うこともなくなります。同じように他人に対しても、相手も自分と同じかけがえのない存在だという「他尊心」を抱ければ、相手のために自分にできることはしてあげよう、与えられるものがあれば与え続けようと自然と思えます。私が社員にどんどん責任ある仕事を任せるのは、そのためです。
社員が成長するために必要なチャンスは、与え続けようと思います。そこでもし失敗したとしたら、社長という立場にいる私が責任を取ればいいのです。「自尊心」と「他尊心」はどちらも同じに尊いもの。たとえ私が社長で相手が部下であっても、その尊さに違いはなく、同等なのです。私たちは、何をやるにも一人きりではできません。一人では生まれてくることも、生きていくこともできません。一人で威張っていたら、誰もついてきてはくれません。